検索

【メス・アイナク出土品保存修復プロジェクト:壁画の修復をスタート】

最終更新: 1月7日


 東京藝術大学社会連携センター(ユーラシア文化交流センター)では、アフガニスタンのメス・アイナク遺跡出土品保存修復事業を行っています。当ブログではその修復過程を紹介しています。

 事業の概要は「ユーラシア文化交流センタープロジェクト」をご覧ください。また、修復作業は木島隆康教授 (東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻)の研究室にて行われています。

====

 破壊の危機に瀕した壁画は、安全な場所に移築するために、アクリル樹脂で強化され、さらに壁画面を保護するために和紙とガーゼが貼られていたました。しかしながら、火急的処置の状態がかなり悪く、土壁と顔料の接着力に比べ、和紙と顔料の間の接着力が強く、顔料が和紙に付いて剥がれてしまいます。

 これをいかにオリジナルに近づけ、鑑賞可能な状態にまで修復するか、大きなチャレンジとなります。

 何度も樹脂の溶解テストを繰り返したうえで、表面を覆っていたガーゼと和紙をはがしていくと、仏教説話の一画面と思われる画像が明らかになってきました。人物像に胸のふくらみが描かれるなど、あまり類を見ない珍しい作品です。メス・アイナクの壁画は、供養する人と仏・菩薩の構成が興味深く、主題の解明が待たれます。

 壁画の脆弱箇所の補強では、盗掘されたアフガニスタンから海外に流出した文化財の修復経験をもとにテストを重ね、ガラスマイクロバルーンとアクリルエマルション樹脂などを混ぜた補修剤を作り使用することになりました(白い部分)。一つ一つの作業について、ベストな方法の模索が続いています。

#メスアイナク