【アフガニスタンから修復専門家が来日(メス・アイナク出土品保存修復プロジェクト)】

April 2, 2018

 東京藝術大学社会連携センター(ユーラシア文化交流センター)では、アフガニスタンのメス・アイナク遺跡出土品保存修復事業を実施しています。当ブログではその修復過程を紹介しています。

 事業の概要は「ユーラシア文化交流センタープロジェクト」をご覧ください。また、修復作業は木島隆康教授(東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻)の研究室にて行われています。

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 2018年3月18日~24日、アフガニスタン国立博物館の修復専門家2名が来日しました。

 今回の来日では、修復を担当した木島研究室が修復方針やその経過を、写真や記録を見せながら説明し、修復状態について問題がないか最終チェックを行いました。

 

 壁画はもともと、アクリル樹脂を含浸させて強化し、アクリル樹脂で和紙を彩色層に貼り養生してありました。これは、緊急発掘の際、土壁から剥ぎ取る時の崩壊、また博物館に輸送する際の振動によって崩壊する危険から守るための処置でしたが、アクリル樹脂などで覆われ汚れた壁画は、画像を認識することができない状態でした。

 

 画像を認識するためには、まず、養生に使用した和紙や過剰なアクリル樹脂を取り除き、画像をもとの状態に戻す必要がありました。

 写真はアクリル樹脂を除去した後の壁画の安定程度や画像の状態を確認しているところです。

 

 現在はここまで修復されました。

 

 表面に近づいてみると、質感はいままさに出土したばかりで、触れると剥がれ落ちてしまいそうに思えます。しかし、すでに安定した状態に修復されており、触れても表面がはがれることはありません。

 できるだけ出土したときの感じを残しつつ、鑑賞にたえうるよう、細心な修復を行ったそうです。この仕上がりに、アフガニスタンの専門家からは「パーフェクト!」のお言葉をいただきました。

 

 今後、最終的には展示が可能なように支持枠に壁画を入れて固定し、周辺を擬土で補修固定します。

 

 塑像頭部については、動かすと崩れるほど脆弱な状態だったため、塑像全体にアクリル樹脂を含浸させて強化しました。また、亀裂部分や破片の接合部分に、アクリル樹脂に粘土やマイクロバルーンなどを混入した粘土状の擬土を充填して接着補修し、その部分の形を整えて補彩を行いました。

 

 さらに、今回の来日では、アフガニスタン国立博物館へ寄贈する修復資材の使用方法の研修も行いました。写真はアフガニスタン国立博物館へ寄贈する修復資材を梱包しているところです。

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 資材の量はあまり多くありませんが、博物館の修復家が現地で、いくつかの壁画を修復できるようになりました。

 

 なお、修復した壁画1点と塑像頭部2点は、5月初めころアフガニスタン国立博物館に返却される予定です。

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