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アフガニスタン展覧会の開催と「文化財難民」の母国帰還~故平山画伯の意志を継いで~

 元東京藝術大学学長であった故平山郁夫画伯が、内線の混乱の中、アフガニスタンから海外に流失した文化財の保護を国際社会に訴え、自ら「アフガニスタン流失文化財保護日本委員会」を組織し、保護した文化財は102点を数えました。

 この中には「ゼウス神像の左足」「カーパシャ兄弟の仏礼拝図」などカブール博物館所蔵の国宝級の貴重な美術品や破壊されたバーミヤンの大仏の壁画から削り取られて持ち出された壁画断片が含まれています。これらの流出文化財は、東京藝術大学の手で一部保存修復の措置が施され、2016年、無事に母国帰還を果たしました。

 返還に先立つ2016年春、福岡と東京で「黄金のアフガニスタン・守りぬかれたシルクロードの秘宝展」が開催されたのを機に、東京藝術大学においてもアフガニスタン特別企画展「素心 バーミヤン大仏天井壁画~流出文化財とともに~」を開催いたしました。展示では、破壊されたバーミヤン東大仏の天崖を飾っていた「天翔る太陽神」の復元制作と展示に取り組みました。

 この復元展示は、30年以上前に京都大学の故樋口隆康名誉教授らが撮影した写真をもとに、東京藝術大学の特許技術を活用して三次元復元をおこなったものです。原寸大で制作した壁画は10メートルを超す大作となり、世界で初めての挑戦となりました。

 当プロジェクトでは、故平山画伯の意志を継いで、「日本が文化で国際貢献する」ことをさらに目指していきます。

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