新型コロナウイルス感染症対応のため休止していたメス・アイナク遺跡出土の壁画修復を再開しました。

 「メス・アイナク遺跡出土品 保存・修復プロジェクト」の詳細はこちらをご覧ください。今年1月、アフガニスタン博物館から運ばれてきた2点の壁画は保護材で覆われ、中を見ることができませんでした。

 このうち一点は修復の結果、残念ながらほとんど絵が残っていないことがわかりました。今回、修復を再開した2点目の壁画にどんな絵があらわれるか、ブログで修復過程をレポートしてゆきます。


修復の始まった2点目の壁画


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 東京藝術大学社会連携センター(ユーラシア文化交流センター)では、アフガニスタンのメス・アイナク遺跡出土品保存修復事業を実施しています。当ブログではその修復過程を紹介しています。

 事業の概要は「ユーラシア文化交流センタープロジェクト」をご覧ください。また、修復作業は東京藝術大学文化財保存修復センター準備室にて行われています。

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 アフガニスタン博物館から運ばれたメス・アイナク遺跡出土の壁画2点の修復が進められています。

 小さいほうの壁画を覆っていた保護材がすべて取り除かれ、ようやく全貌を見ることができました。残念ながら損傷が著しく、絵柄はほとんど残っていませんでした。ただ、中央の欠損部分上部にうっすらと仏様のような図像をみとめられ、かつての姿が偲ばれます。

 壁画は修復前、修復中、修復後に写真撮影を行います。

 修復前の状態を伝えるために、各過程で撮影し記録を残すことはとても重要だそうです。

 また、赤外線や紫外線カメラでも撮影を行いましたが、今回はあまり情報を得ることができませんでした。


 壁画の背面はもともとエポキシ樹脂で固められ、アルミバーで固定されています。今後は表面を保護し、額装して、修復を完了します。

 額装のため、ロハセルという軽くて強く加工しやすい素材が用意されました。これは新幹線のボディにも使われるほどの強度があり、なおかつ軽くて加工しやすいため、壁画のような重いもののマウントには最適です。

 これを加工して、土台となるマウントを作成します。さらに壁画と色をあわせるため、白いロハセルに土の色をのせてゆきます。

※ロハセルを加工してマウント作成中


 この作業が完了したら、今度は、大きな方の壁画にとりかかります。

 実は、こちらはまだ裏返されたままの状態です。背面が固定されていないため、どうしたら壁画を損傷させずにひっくり返せるか、方法を考えなくてはなりません。

 また、事前にアフガニスタン国立博物館から提供された資料も、裏面のみで、表がどのような状態になっているかわかりません。


 3月に、アフガニスタン国立博物館から修復の専門家が来日します。この先の作業は、彼らとともに進めていく予定です。

 さて、どんな絵が現れるでしょうか。それともやはり損傷してしまっているでしょうか。

 なかなか楽しくなってまいりました。

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最終更新: 1月23日

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 東京藝術大学社会連携センター(ユーラシア文化交流センター)では、アフガニスタンのメス・アイナク遺跡出土品保存修復事業を実施しています。当ブログではその修復過程を紹介しています。

 事業の概要は「ユーラシア文化交流センタープロジェクト」をご覧ください。また、修復作業は東京藝術大学文化財保存修復センター準備室にて行われています。

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 2020年1月、今年もアフガニスタン博物館から、メス・アイナク遺跡出土の壁画2点が到着しました。

 壁画はまだ保護材で覆われ、中を見ることができません。

 まずはX線撮影が行われました。

壁画大裏面(81×162cm)


壁画小裏面(80×74㎝)


壁画大X写真


壁画小X写真


続いて、小さい方の壁画から、アセトンを湿らせた脱脂綿を使って、表面を保護しているガーゼと和紙を、慎重にはがしてゆきます。壁画上部と思われる部分に、赤い顔料が塗られているのがわかってきました。



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